発明情報

リサイクル性・自己修復性を有する多分岐構造ポリマー

多分岐ポリマー末端基の相互作用にもとづく材料設計が可能な リサイクル性・自己修復性のあるポリマーです

背景

プラスチック(合成高分子)材料は、現代社会には不可欠な高機能かつ安価な材料として広く利用されています。一方、大量の使用済プラスチックが環境に深刻な影響を与えています。従来のプラスチックのリサイクルには、材料の物理的な破壊・分離に基づく物理的リサイクル法と、モノマーへ分解する化学的リサイクル法の二つの方法があります。しかし、一般的に、前者では再生品における物性・機能が低下し、後者は高環境負荷プロセスを伴います。

発明概要と利点

本発明者らは、従来の線状高分子における「高分子鎖の絡み合い」を「多分岐高分子末端基の相互作用」に置き換えることで、高分子凝集状態の形成とモノマーへの分解性の両立、あるいは両者のバランスを制御し得る高分子材料の合成方法を考案しました。これにより、リサイクル性を有する高分子材料の開発が可能となりました。さらに、自己修復性も確認できており、本技術はプラスチック問題の根本的な解決に寄与する可能性があります。


【本技術の特徴】
多分岐高分子
•モノマー分子(2)*と有機テルル重合制御剤(1)とアクリル酸エステル(MA)のリビングラジカル重合により、3D構造の制御された枝状分岐構造の多分岐ポリマーを合成可能【図1】(*特許第6754124号)
•合成プロセスが簡便で分岐構造(分岐数・分岐密度)を容易に制御可能【図2】
末端基相互作用による「高分子凝集状態」の形成
多分岐高分子の末端基に相互作用性末端基を導入することで、末端基相互作用による「高分子凝集状態」を形成し、プラスチックやエラストマーの機能を発現
リサイクル性
溶媒に溶かす「低エネルギーなプロセス」で容易にモノマーに分解可能
自己修復性

スクリーンショット 2025-10-03 123640.png

開発段階 •自己修復性・分解性検証
•新規の開始剤の開発
•ポリマーからテルル末端を除去する方法の開発
•エマルジョン重合を用いた合成法の開発
発表状況 •MeltRheologyofDendriticHyperbranchedPolyacrylates..
•OneStep_Synthesis_of_Dendritic_Highly_Branched_Polystyrenes..
希望の連携 •共同研究
•実施許諾/オプション契約
関連リンク PDFで見る英語版を見る(English ver.)

お探しの情報は見つかりましたか?

  • 興味のある研究がある
  • 必要な情報が見つからない
  • 活用したいが流れがわからない

どんなことでも、まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ
トップへ戻る
株式会社TLO京都

〒606-8501
京都市左京区吉田本町
京都大学 国際科学イノベーション棟3階

お問い合わせ