酸化膜/SiC界面の界面準位密度を低くし、高いチャネル移動度を達成しかつ界面の正の固定電荷を大きく低減させ、ノーマリオフ特性と両立することに成功しました。
パワーデバイスに期待されるSiC MOS型トランジスタの性能が、酸化膜/SiC界面に存在する高密度の欠陥のために大きな制約を受けていました。発明者は、SiCの酸化による欠陥を少なくする独自のプロセスを開発し、低い界面準位密度を得ることで高いチャネル移動度を達成し、2020年6月に特許を出願しました(整理番号6984、特願2020-98244)。しかし、この手法ではMOS界面に高密度の正の固定電荷が存在することが判明し、低い界面準位密度を維持しながら界面の正の固定電荷を低減することが課題となっていました。
酸化膜形成プロセスとして、
(1)水素エッチングでSiC表面欠陥除去
(2)プラズマCVDでSiO2膜堆積
(3)NOガスによる界面窒化により、界面準位密度を低くしたまま、図3のAに示すようにSiO2中の窒素原子密度を下げることで界面の正の固定電荷を低減させ、ゲート電圧のしきい値電圧を正にシフトさせ、MOSFETのノーマリオン化を抑制することに成功しました。
本発明によって、酸化膜/SiCの界面準位密度および正の固定電荷密度を低減するでき、図2のAに示すように高いチャネル移動度とノーマリオフ特性を両立するSiC MOSFETを実現しました。また、将来の実用が期待される高温動作SiC CMOS集積回路や高耐圧SiC IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の高性能化、PチャネルSiC MOSFETに繋げられます。
| 開発段階 | 試作にて特性確認済 |
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| 希望の連携 | •実施許諾契約 •オプション契約 (技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許出願中(WO2022/130788)です。 |
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