nチャネルJFETとpチャネルJFETの飽和電流を、高温において同程度とすることと伝導帯から深いエネルギー準位をもつドナーを使ったnチャネルJFETにより、高温において安定動作するSiC相補型JFETの実現を可能にしました。
SiCはバンドギャップがSiに比べて約3倍高いため、高温環境下で動作する集積回路が作製可能です。発明者はnチャネルJFET(接合型電界効果トランジスタ)とpチャネルJFETの相補型素子をベースにした集積回路を提案しており、これらの回路について広い温度範囲で理閾値電圧の変動を抑えるような構造設計が求められています。
従来、SiCは温度特性のために、閾値電圧が変動する課題がありました(図1)。本発明では相補型JFETによる集積回路NOT(インバータ),NAND,NORを設計するにあたり、SiCのもつ温度特性を考慮し、広い温度範囲で論理閾値電圧シフトを安定した動作を実現する素子を開発しました。
(1)飽和電流を高温時に同程度に設計
pJFET、nJFETの飽和電流が高温下で同じになるようにチャネル幅の比とチャネル長の比を設定することで、300-900Kで0.02 Vの変化に抑制えました(図2)。
(2)伝導帯から深いエネルギー準位をもつドナーを使った
nチャネルJFET
nJFETにpJFETと同じ温度特性を持たせ、温度変化を抑制できます(図3)。

図1 従来の室温設計時の論理回路の閾値電圧と論理閾値の温度特性
A 論理閾値 B pチャネル閾値電圧 C nチャネル閾値電圧

図2 高温設計時の論理回路の閾値電圧と論理閾値の温度特性
A 論理閾値B pチャネル閾値電圧C nチャネル閾値電圧

図3 伝導帯から深いエネルギー準位をもつドナー使用時の論理回路の閾値電圧と論理閾値の温度特性
A 論理閾値 B pチャネル閾値電圧 C nチャネル閾値電圧
| 開発段階 | 高温時のn-JFET、p-JFETの安定な論理閾値を確認済。 |
|---|---|
| 希望の連携 | •実施許諾契約 •オプション契約 (技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許登録(7488557号)済です。 |
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