免疫学的作用機序、治療薬の作用機序を再現した数理モデルが、in silico創薬・病態予測を可能にします。
円形脱毛症(alopecia areata : AA)は、患者数が世界では約1億5000万人、日本国内では約200万人が罹患する主要な皮膚疾患です。自己免疫疾患やアトピー疾患の合併や慢性的な病態へ進行することが知られ、脱毛による外見の変化はQOLに大きな影響を及ぼすと言われています。病態機序・発症機序は十分に解明されておらず、有用な治療薬として臨床試験が進められているJAK阻害剤も、その治療効果は患者全体の2~4割にとどまっています。また、創薬において利用されるモデルマウスは、ヒトのAAと類似した病態が観察される一方で、完全には再現できていません。そのため、有効な治療法の開発に加え、バイオマーカーの同定、生理学的状態を高精度に推定できる技術が求められています。
発明者らは、免疫学的作用機序に基づいて円形脱毛症の病態を再現する数理モデル(円形脱毛症モデル:AAモデル)を構築し、病態シミュレーションや治療効果の予測を可能にするシステムを開発しました。本モデルは、従来の病態の特徴や傾向を定性的に議論するためのモデルとは異なり、患者ごとに最適化されたAAモデルにより病態を再現できる点に特徴があります。さらに、AAモデルを応用し、治療薬の作用機序を反映させた治療薬モデルを構築したことで、臨床試験結果を再現できることを確認しました(図1)。さらに、本発明は、AAモデルや治療薬モデルに、実際の患者から得られるデータ、または所定の確率分布に基づいて生成した仮想患者モデルを適用することにより、患者ごとの病態シミュレーションや治療効果の予測を可能にします。本発明は、新薬開発における薬効評価や臨床試験の効率化を目的としたin silico創薬への利用に加え、患者ごとに最適な治療法を検討する個別化医療への応用も期待される技術です。
⮚新しい解析手法"VirtualPatient(仮想患者)
所定の確率分布に基づき生成される"VirtualPatient"が病態・効果を予測します。
⮚新規バイオマーカーを含む複数のバイオマーカー
数理モデルから同定した新規バイオマーカーを含む複数のバイオマーカーが、
治療薬モデル・仮想患者モデルにおいて、治療効果を予測します(図2,3)。


| 開発段階 | 毛包(免疫レベル)と患者群レベルでの検証を終えたモデルを構築ずみ。遺伝子・細胞レベルでの創薬と臨床試験への応用可能なモデルとして拡張を検討 |
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| 希望の連携 | ・共同研究 ・実施許諾 ・オプション(非独占/独占) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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