発明情報

超高精度な形状測定/画像合成のための新規データ統合技術

適用分野・用途

  • 表面形状測定
  • 画像合成

発明概要と利点

本発明はデータスティッチングに関する新しい技術である。
データスティッチングは、個々のデータをつなぎ合わせて、1つの統合データを得る技術である。例えば、一度の測定で計測しきれない、大面積の材料の表面構造を測定したり、複数の写真を合成して1枚の写真に組み上げるときなどに使われる。
従来技術は、単純平均や最小2乗法を使って、個々のデータ(表面測定なら測定した位置データ、写真合成なら写真の色彩データ等)の中間データを算出し、この中間データを橋渡しとして、個々のデータを接続する。しかしこの際、それぞれの測定データ間に生じた不整合を補償しないまま接合していた。

京都大学の栗田准教授は、個々のデータを弾性体とみなすことで、不整合が生じない、最適なデータ接続技術を確立した。

本技術を用いれば、例えば既存の測定装置により得られた測定データをより適切に統合することができるため、精度の高い測定装置を導入しなくても、誤差の少ない測定結果を得ることが可能になる。また画像合成ならばよりツギハギ感が少なく、均整のとれた合成画像が得られると期待できる。

利点

  1. より高精度にスティッチングを行うことが可能
  2. 短時間でデータ処理が可能
  3. 既存の測定技術などで得られたデータを適用できる

本発明概要の模式図および効果

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本技術適用前(図:右上)

測定した元データのままだと実際の対象物表面の形状と大きく誤差がある。

  • 標準偏差=54 nm
  • Peak to Peak Value=510 nm
本技術適用後(図:右下)

本技術により、実際の表面形状に限りなく近い測定結果が得られた。
(標準偏差で約1/4、ピーク-ピーク値で約1/5の改善)

  • 標準偏差=15.8 nm
  • Peak to Peak Value=100 nm

開発段階 本技術を用いたシミュレーションにより、既存技術で得られたデータのスティッチング精度が飛躍的に高まることを確認している。
発明者 京都大学 理学研究科 栗田光樹夫
特許情報
出願人
国立大学法人 京都大学
出願番号
特願2015-549192
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