NIR-Ⅱ領域(1000~1500nm)に極大吸収波長を有し、 構造修飾の多様性に富む、新規有機化合物です。
近年、バイオイメージングやセンサー応用、太陽電池の性能向上などを目的に、高効率に近赤外光を吸収する有機色素の研究が盛んに行われています。なかでも
近赤外領域のみに光吸収を持つ色素であれば、その透明性を活かし、セキュリティインクやセンサー材料、また近赤外吸収により熱線カット材料としてなど、様々な用途が見込まれます。
発明者らは、極端に高分子量とせずともNIR-Ⅱ領域(1000~1500nm)に極大吸収波長を有し、構造修飾の多様性に富む有機化合物を開発しました。本化合物は、溶液状態でNIR-Ⅱ領域に強い光吸収を持つ一方で、可視光領域では高い透過性を示します。また、電気的還元により色調を変化させる、エレクトロクロミック材料としても有用です。
近赤外のNIR-Ⅱ領域に吸収極大波長を有し、かつ可視光領域には吸収を持たないため、溶液状態で無色透明です。
有機溶剤への溶解性向上や、各種用途に応じた修飾検討が可能です。
航空機等の調光窓(電子カーテン、日射調整ガラス)等としての活用可能性があります。
図1. 本発明の化合物例
図2. 本発明化合物の吸収スペクトル
図1右の化合物は、近赤外のNIR‐Ⅱ領域(1200nm近傍)に吸収極大波長を有し、可視光領域(430-750nm)においてほとんどピークを有さず、目視では無色である。
図3.本発明化合物を電気的に還元して得られる化合物の吸光スペクトル
図1左の化合物は、近赤外のNIR‐Ⅱ領域(1000-1500nm) には吸収ピークを持たず、吸収極大波長550nm近傍の吸収ピークを有する。
開発段階 | • 複数種の化合物の合成経路を確立済み • 吸光スペクトル測定で、近赤外域の選択吸収確認済み • 本化合物は酸化・還元により、近赤外吸収と可視光吸収とを可逆的にスイッチングできるエレクトロクロミック特性を有することを確認済み • 用途に応じた最適化検討パートナー募集中 |
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希望の連携 | • 実施許諾契約 • オプション契約 ・サンプル提供契約 ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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