発明情報

認知機能改善効果を持つ卵白由来の機能性食品素材

卵白タンパク質の酵素消化物または当該消化物に含まれる生理活性ペプチドの経口摂取で低下した認知機能を改善できることを見出しました。

背景

世界的な高齢化社会において、認知症の増加が喫緊の課題となっています。認知症の対策として、認知機能不全となってしまう前の初期段階から長期にわたって、機能改善や予防を行うことが重要と考えられます。このため、薬剤より手軽に日常的に摂取ができる「食品」という形式で、これら認知機能改善作用を持つ素材が求められていました。

発明概要と利点

京都大学研究者らは、認知機能低下を改善する卵白由来の素材を見い出しました。卵白に最も多く含まれるタンパクであるオボアルブミン(OVA)を酵素消化して得られる本素材は、認知機能低下初期段階のマウスへ経口投与することで、認知機能の改善が認められます。また、当該OVA酵素消化物中に含有される数種のペプチドについて、高い認知機能改善効果を示すことも明らかにしました。

  • 経口投与での認知機能改善

認知機能低下モデルマウス(高脂肪食接種による認知機能低下モデル)に対し、本発明のOVA酵素消化物あるいは生理活性ペプチドを経口投与することで、低下した認知機能が改善することを確認しました(図1)。

  • 低用量で作用

研究室レベルで行ったマウス投与試験において、OVA酵素消化物30 mg/kgと少ない投与量レベルで認知機能改善が見られています。

図1 OVA酵素消化物の経口投与により認知機能低下の改善
マウスにおける物体認識及び位置認識試験(ORT)を行ったところ、高脂肪食(HFD)摂取による認知機能低下モデルに本発明のOVA酵素消化物30mg/kg経口投与したマウス群において、認知機能改善が見られた。

開発段階 ・OVA酵素消化物のマウス経口投与試験で、低用量での認知機能改善作用確認済み。
・当該消化物中に含まれる有効成分として、生理活性ペプチド数種を同定済み。
・生理活性ペプチドのマウス経口投与においても、認知機能改善作用確認済み。
・ペプチドの作用メカニズムは大学にて研究継続中。
・実用化に向けた原料決めやヒト試験等での連携先を募集中。
希望の連携 ・特許実施許諾契約
・オプション契約
(検討期間用実施予約権)
※本発明は特許出願中です。
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