発明情報

脱炭素化に寄与できる新しい木材接着技術

安全性の高い天然由来物質を接着剤材料として使い、木質エレメント(粉末等) を接着し、キレイな木質成形体を製造する方法を提供します。

背景

木質エレメントから木質材料を製造するためには、接着技術が必要不可欠です。工業的には化石資源由来の各種合成樹脂接着剤が多用されていますが、環境への配慮からそれらの使用を抑えた新たな接着技術の開発が望まれています。最近では、バイオ物質を用いた天然系接着剤の開発が進められていますが、低い耐水性や化石資源による補完が課題として上げられます。多価カルボン酸や糖類を使用した接着技術も検討されていますが、木質材料の酸劣化や黒色化が起こる問題がありました

発明概要と利点

発明者らは、人体や環境に対して安全性の高い天然由来の物質を用い、粉末等の木質エレメントを接着して成形体を製造する技術を見出しました。この技術は、木質エレメントの酸劣化や成形体の黒色化が生じにくく、脱炭素化にも貢献します。

  • 環境に優しい

安価で安全性の高い天然由来物質を木質エレメントに添加して熱圧するだけで木質成形体を製造することができます。従来の接着剤と異なり合成が不要で、水溶性の天然由来物質を使用しているため、環境に優しい接着技術です。

  • 木質エレメントに近い色合いを有する

成形体は弱酸性を示し酸劣化が生じにくく、得られた成形体は原料の木質エレメントに近い色合いを有しています(図1)。

  • 高い耐水性を示す

本発明手法により作製した成形体は沸騰水中でも崩壊せず高い耐水性を示します。

図1. スギ木粉(a)と、その成形体(b)
粉末状の木質エレメントと天然由来物質とを均質に混合して熱圧するだけで、上記(b)のような成形体を簡単に製造することができます。

開発段階 木粉と今回の物質を使って混合、熱圧し、直径10cm程度の成形品を作成した段階。
希望の連携 ・実施許諾契約
・オプション契約(技術検討のためのF/S)
・共同研究も応相談
※本発明は京都大学から特許出願中です。
関連リンク PDFで見る

お探しの情報は見つかりましたか?

  • 興味のある研究がある
  • 必要な情報が見つからない
  • 活用したいが流れがわからない

どんなことでも、まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ
トップへ戻る
株式会社TLO京都

〒606-8501
京都市左京区吉田本町
京都大学 国際科学イノベーション棟3階

お問い合わせ