発明情報

肺高血圧症の診断及び予後予測マーカー

肺高血圧症の重症度や予後を予測し得る新規マーカーを提供します。

背景

肺高血圧症(PH)は肺動脈の血圧が高くなることで、心臓と肺の機能障害をもたらす、予後不良な進行性の疾患群です。肺動脈性肺高血圧症(PAH)は病理学的変化を伴い、肺動脈圧が上昇するPHです。PHの従来の診断方法はカテーテル検査が行われており患者への負担を伴います。また、PAHの発症メカニズムは未解明で、近年、PAHの既存の治療薬では治療薬抵抗性PAH患者において予後不良が報告されており、PAH発症メカニズムに基づく根本的な治療薬の開発が求められています。また、単一遺伝子欠損でPAHを発症するモデル動物は従来存在しませんでした。

発明概要と利点

発明者らはPAHの発症に関連する新たな標的Xを見出しました。標的Xは、以下の開発に貢献することが期待されます。


①PH診断バイオマーカー(図1はヒトのデータ)

  • PH患者(n=77)と健常者(n=77)で、ある免疫細胞における標的XのmRNA量を比較しました。PH患者では、mRNA量が有意に低下し(図1a)、mRNA量が少ないほど重症であること(図1b)を確認しています。また、当該免疫細胞における標的XのmRNA量が少ないほど、その予後が悪いこと(図1c)も確認しています。

②PAHモデル動物

  • 標的Xの遺伝子欠損マウスでは、PAHの特徴的な症状が観察されました。

③PAH治療薬

  • 標的Xの発現を制御することで、既存の病態モデルマウスのPAH病態を抑制することを確認しています。

開発段階 ・PH患者は、ある免疫細胞における標的XのmRNA量が優位に低下していることを確認。
・標的Xの遺伝子欠損マウスでPAHの特徴的な症状を確認。
・既存の病態モデル動物で、標的Xの発現を制御することにより病態抑制効果を確認。
希望の連携 • 実施許諾契約
• オプション契約
• MTA
(技術検討のためのF/S)
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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