発明情報

背景

発泡体は緩衝材や遮音材など様々な用途で使用されており、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系に代表される、熱可塑性樹脂発泡体がよく知られています。
一般的な発泡体製造方法では、ポリマーに発泡剤を添加して発泡成形を行います。しかしこの方法では、発泡剤から生じる二酸化炭素の排出など各種環境への影響や、発泡体中に残る腐食性ガスや不純物による汚染が問題となっています。環境面への配慮から、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックを発泡体としたものも市販されていますが、ポリ乳酸は発泡性を持たないため、発泡剤を添加する必要があり、上記と同様の問題が生じています。

発明概要と利点

発明者らは、発泡剤不使用で、高い発泡倍率と生分解性を有する新規な発泡材料およびその製造方法を開発しました。この新規発泡材料は、従来用いられていた発泡剤の代わりに水で発泡させることができるため、 排出される物質は水蒸気のみとなり、実質的なゼロエミッションを達成しています。 本発明の発泡材料は、持続可能性、生分解性、石油不使用、製造工程の炭素排出ゼロ等の環境適合性が求められる分野や、生体適合性材料としての医療分野に加えて、緩衝材、遮音材、断熱材、食品包装材、衣料材、建材用、輸送機器等の幅広い分野で好適に用いることができます。

• 発泡剤不使用で高い発泡倍率を示す（表１）
• 製造工程の炭素排出ゼロを実現
• 環境適合性が求められる分野など幅広い分野での活用