発明情報

プロポフォールの血中濃度と脳内濃度予測モデル

予想時刻に麻酔から覚めない覚醒遅延の患者さんを減らすことが可能になる技術です。

背景

プロポフォールは、手術中の麻酔の導入および維持に広く使用されており、薬物動態モデルによってプログラムされた標的制御注入(Target Controlled Infusion:TCI)システムが用いられています。
しかしながら、TCIシステムを用いているにもかかわらず、血中濃度が下がっても患者が予想通りに覚醒しないという問題がありました。

発明概要と利点

本発明者らは、プロポフォールの血中濃度と脳内濃度とに差があることを見出し、プロポフォールの血中濃度から正確な脳内濃度の予測を可能にするプログラムを開発しました。

脳腫瘍患者から摘出した腫瘍及び周辺組織を用いて脳内濃度を測定し、薬物動態モデルから予測したプロポフォール濃度とを比較しました。例えば、Marshモ デルで予測した場合、血中濃度の予測値は実測値と近似しますが、脳内濃度の予測値は実測値と乖離します(図1)。本発明のプログラムでは、脳内と血中でのプロポフォールの動態の差を加味することで、実測値と近似した脳内濃度を予測することが可能です(図2)。

  • 正確な脳内濃度を予測し覚醒遅延の発生を低減
  • プロポフォールの過剰な投与を防止できるので、副作用を抑制できる
  • 人工呼吸器管理時間や手術室滞在時間の延長を軽減し、次のオペレーション への進行やベッドの空き状況の管理に有用

スクリーンショット 2023-01-20 092506.png

開発段階 ・開頭開頭術を受けた神経膠腫またはてんかんの患者35名のうち17名のサンプルからモデルを作成し、18名の患者にて検証
・患者毎にカスタマイズした更に正確なプロポフォールの脳内濃度を予測可能なプログラムを開発
希望の連携 • 実施許諾契約
• オプション契約
(技術検討のためのF/S)
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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