生体情報のセンシングやモニタリングの機器に適した、小型・低消費電力の送信装置です。国際標準規格のキャリア信号の周波数を使用しながら消費電力を低減できます。
開発の進むウェアラブルデバイス分野では、装着者から計測した生体情報を送信する送信装置において、 小型化・軽量化および消費電力の低減が求められます。その解決策の一つとして、キャリア信号を用い て短時間通信を行うことで送信装置の消費電力の低減が期待されています。しかしながら、送信装置に おける通信方式は国際標準規格で標準化されており、例えばIEEE 802.15.6 に規定されたウェアラブル デバイスにおける通信方式の規格では、中心周波数 21 MHzを使用するよう定められています。21 MHzのキャリア信号生成には大きなサイズのキャリア生成器が必要となるため、キャリア信号での短時 間通信による低消費電力化と装置小型化を同時に実現することは不可能と考えられてきました。
発明者らは、生体情報のセンシング・モニタリングに適した小型で低消費電力の送信装置を開発しました。 本発明の送信装置は、GHz帯のキャリア信号に21 MHzのキャリア信号を重畳させることで、小型化と消費 電力を低減できます。
➢ 小型化・低消費電力化の原理
• 回路構成図1から、GHz帯のキャリア信号を発生させる発振回路212と分周270を含む21 MHzの キャリア信号を発生させる制御回路226とをスイッチ回路224をオンオフすることで、オンオフ切 り替え時のキャリアの信号強度包絡線を21 MHzの周波数となる(図2(b))。その結果、GHz帯 のキャリア信号で主回路が構成でき、小型・低消費電力な送信装置を提供でき、21 MHzの周波数 でキャリア信号を発生でき、かつウェアラブルデバイスにおける通信方式の規格に適合できます。
➢ 生体情報のセンシング・モニタリングに有用
本発明の送信装置中の回路では、入力される電圧に含まれる生体情報の変動に対応した制御信号を利用 します。発電時の電圧変動を利用して制御信号が入力されるため、血糖値濃度や照度などのセンシング 応用が期待されます(図1, 2)。
開発段階 | 本発明の送信回路を作製し、その効果を確認済み。 |
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希望の連携 | • 共同研究 • 実施許諾契約 • オプション契約 (技術検討のためのF/S) |
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