性染色体に薬剤により発現誘導可能な致死遺伝子を組みこむことで、一 方の性を選択的に生むマウスを作出しました。
酪農・畜産業では、用途により雌雄で市場価値が大きく異なるため、片方の性を選択的に産み分ける技術が強く求められています。実験動物についても、産仔の性比をコントロールできれば、出生時調整や生育後の頭数調整を行う必要がなくなるため、経済的にも倫理的にも大きなメリットがあります。そのため、より安全で、簡便な雌雄産み分け技術の開発が求められています。
本発明者らは、雌雄個体を選択的に産出できる遺伝子組換えマウスを樹立しました。これにより、効率的、かつ倫理的配慮がなされた実験動物の作製や家畜生産を行うことが可能となります。
➢ 利点その1
組換え遺伝子の影響のない産み分け個体の作出が可能です。
➢ 利点その2
雌雄産み分けにより余剰動物を減らすことができます。
➢ 利点その3
産出する個体の性を用途によって選択できます。
図1.(左)X染色体に致死遺伝子を持つ雄を交配に用いると、雌の受精卵は薬剤により致死遺伝子の発現が誘導されて除かれ、雄の受精卵のみ選別されます。
(右)Y染色体に致死遺伝子を持つ雄を交配に用いると、雄の受精卵は薬剤により致死遺伝子の発現が誘導されて除かれ、雌の受精卵のみ選別されます。
※生まれてくる個体は組換え遺伝子を持ちません。
開発段階 | 遺伝子組換え体ではない雄個体を選択的に産出するための遺伝子組換えマウスを作出済 |
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希望の連携 | • 実施許諾(実験動物、畜産動物種類での分野のみの独占も可能) • MTA+オプション(非独占/独占) • 共同研究 ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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