発明情報

難水溶性ロジンの水溶化法

難水溶性であるロジンを特定の物質と混合することで、容易に水溶化させることができます。

背景

ロジンは、松材や松ヤニから得られる天然樹脂で、インキ樹脂や滑り止めに使われます。また、近年ロジンは天然由来の素材としても注目されており、抗菌性、抗ウィルス活性などの生理活性についても研究が進んでいます。しかし、ロジンは難水溶性であるため、水に溶解させて液体状態で利用する場合には、置換基導入による構造変化や乳化剤の添加等の処理が必要となっています。ロジンの生理活性物質としての機能を十分に活用するためには、より容易に扱えるように水溶化する技術が望まれていました。

発明概要と利点

本発明では、難水溶性ロジンを特定の物質と混合した後、水中で分散させることで容易に水溶化できることを発見しました。これにより、従来よりもロジンの取り扱いが容易となり、液体状態のロジンを用いた塗布等も可能となります。

・省コスト・省エネルギー
高温加熱などの前処理をすることなく、ロジンの水溶化が可能です。また、水中に分散した際、分離操作などを行うことなく、透明な分散液を得ることができます。

・容易な実用化
ロジンそのものの構造を化学的に変化させることなく、水溶化することが可能です。

【図1】本発明の概要

含有物

水への

溶出率(%)

本発明1

ロジン+特定物質

74.7

本発明2

アビエチン酸+特定物質

73.6

従来例1

ロジン

<6

従来例2

アビエチン酸

<6

【図2】本発明と従来例の水溶性比較
ロジン(またはアビエチン酸)を含む含有物と蒸留水を混合して、37℃付近の温度で30分間振とうすることでロジンの溶出液を調製。その後、溶出液を遠心分離して、分離した上澄み液を抽出。抽出液をイソプロパノールと混合した後、紫外線照射により吸光度を測定してロジン濃度を測定した。

開発段階 水溶性評価試験を行い、本発明とロジン単体の特性を比較し、本発明の水に対する溶出率が増加していることを確認
希望の連携 ・実施許諾契約
・オプション契約
(技術検討期間用)
・共同研究契約

※本発明は京都大学から特許出願中です。
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