本方法で強度と靭性が両立するミディアムエントロピー合金めっきができます。
複数の合金元素をほぼ等原子比率で均一に含む多元系合金は、強度と靭性を両立でき、近年さまざまな用途への適用が期待されています。CrCoNi系MEAは、高い靭性を有する一方で、ハイエントロピー合金(HEA)及びMEAの中でも特に高い強度を有しており、摺動部材に適しています。
しかし、多元系合金は、一般的に、電気めっきの際の構成元素の酸化還元電位が異なるため、全ての構成元素を等しい原子比率で析出させて薄膜を生成することが難しいとされています。特に、構成元素としてCrを含む場合は、環境に配慮するなど複雑な析出過程を踏む必要があるという課題がありました。
発明者らは、上記課題に鑑み、めっき液と電気めっきの条件を工夫することで、構成元素がほぼ等原子比率のミディアムエントロピー合金の薄膜を形成することができました。
✓ 構成元素の自由度が高い
本発明では、Crを含んだMEAを対象とした電気めっきが可能となっており、原理上、水溶液で還元できる元素であればどのような組み合わせでも可能です。
✓ 構成元素を等原子比率にすることができる
薄膜の表面形状はかなり滑らかであり、また構成元素をほぼ等原子比率(図1および図2)で析出させることができます。
✓ MEA薄膜を素早く作製することができる
本発明では、めっき液に複数種の溶媒を適切な比率で混合させることで、電気めっきを行う際に電極へ複数種の金属イオンを連続的に供給できるため、素早くMEA薄膜を作製することができます。
開発段階 | CrCoNi系MEAの薄膜を作製し、その構成元素がほぼ等原子比率であること及び薄膜の厚さを確認済み。 |
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