20アミノ酸残基のペプチドが持つインターフェロンγ受容体を介した免疫活性化効果を応用し、がんなどの疾患の新たな治療法を提供します。
インターフェロンγ(IFN-γ)は143アミノ酸残基から構成される糖タンパク質であり、自然免疫応答と獲得免疫応答の橋渡しを担うサイトカインです。抗ウイルス活性やHLA誘導活性を有し、がんの治療などでもすでに使用されています。近年ではTNF-αと協調することで細胞死を強く誘導できることもわかってきました。しかし、IFN-γは製造コストが高く治療費が高額な上に、強い生物種特異性があるため、各動物に適応するには、それぞれの動物種由来のIFN-γ製剤を作る必要があります。
本発明者らは、IFN-γと同様の作用があるウイルス由来のペプチドを発見しました。本ペプチドは20アミノ酸残基から構成され、化学合成が容易です。また、ヒトやマウス由来の細胞において、TNF-αと協調して種特異性なく強力な細胞死を誘導し(図1)、IFN-γと比べて低濃度でその効果を発揮します(図2)。さらに、本発明ペプチドをマウスに経鼻投与すると、ウイルス感染予防効果が認められました(図3)。本発明は、IFN-γの代替が可能なペプチドを提供し、新たながん治療法やウイルス感染防御法に利用できると期待されます。
⮚ 化学合成が容易かつ低濃度で効果を発揮
製造コストを抑制できます。
⮚ 種特異性なく効果を発揮
ヒトだけでなく動物用医薬品などへの応用も期待されます。
⮚ IFN-γよりも高い効果を発揮
がん治療やウイルス感染予防への応用が可能です。
開発段階 | • In vitroではTNF-αと協調してヒトがん細胞などで細胞死を誘導することを確認 • In vivoではマウスにおいてウイルス感染予防効果を確認 • TRL: レベル3 |
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希望の連携 | • 特許実施許諾契約 • オプション契約 (技術検討のためのF/S) • 共同研究契約 • MTA ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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