複数種の有機高分子と金属錯体の最適設計により、高効率に電荷移動が可能な光触媒を開発しました。
太陽光をエネルギー源とした高性能な光エネルギー変換システムの構築は、エネルギー問題や炭素資源循環の観点から極めて重要な課題です。その実現には、高効率な光触媒の開発が鍵を握っています。これまで、効率面では高価な貴金属を使用した光触媒の研究が進んでおり、一定の成果を挙げています。一方、資源面での持続可能性を考慮した場合、有機化合物を利用した光触媒に対する期待があるものの、これまで十分な性能を示すことはできていませんでした。
本発明者らは、光触媒を4つの要素(ドナー・スペーサー・アクセプター・錯体触媒)に分け、目的とする反応にあう有機高分子および金属錯体の選択やその組み合わせ、さらにその比率の最適化を行いました。その結果、高効率で電荷移動が可能となる電位勾配を持つ光触媒を開発しました。本発明者が公表済みの光触媒と比較し、光利用効率において約30倍(EQE : External Quantum Efficiency 34.5% @430 nm)となる性能向上を実現しました。この技術により、貴金属に過度に依存せず、資源リスクを低減できる高効率な光エネルギー変換システムの構築が期待されます。
⮚有機高分子および金属錯体からなる光触媒のため、貴金属の使用を抑えることができます。
⮚市販の有機高分子より選択ができ、コスト及び量産性で優位性があります。
⮚金属錯体および有機化合物の分子骨格の設計次第では、CO2の還元、水分解にとどまらない様々な用途への適応が期待されます。
開発段階 | 用途にあわせた光触媒の検討を行っております。 |
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希望の連携 | ・共同研究(用途別にて) ・実施許諾(用途ごとの独占も可能) ・オプション(非独占/独占) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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