発明情報

mRNAスイッチ及びこれを用いたタンパク質の発現制御方法

Casタンパク質をモジュレータタンパク質として利用する翻訳制御デバイスを構築しました。

背景

翻訳制御回路は、ゲノムへの挿入リスクがないため安全性が高く、転写を介さないため環境シグナルへの応答が速いことから注目を集めています。翻訳制御回路の実現に向けて、mRNAスイッチの利用が有望視されています。また、mRNAスイッチを組み合わせるだけで、大規模な回路を実現できる可能性があります。しかしながら、mRNAスイッチの開発に必要な翻訳制御モジュールの数は、転写制御モジュールに比べて圧倒的に不足しており、複雑な遺伝子回路の構築を妨げる一因となっていました。

発明概要と利点

発明者らは、Casタンパク質が結合するRNAモチーフをmRNAの5'非翻訳領域に埋め込むことで、Casタンパク質をモジュレータタンパク質として利用する翻訳制御デバイスを構築しました。翻訳制御デバイスは、さまざまな生物種およびタイプのCasタンパク質を利用して作製できるため、複数のデバイスを容易に構築でき、それらを組み合わせて翻訳制御による複雑な遺伝子回路を構築することができます。
生産性の向上
従来の方法で開発されてきたmRNAスイッチよりも、高頻度にmRNAスイッチを開発できます。本発明では、最初の試験段階で10種のCasタンパク質のうち9種が、タンパク質・RNAへの改変を一切行わずとも翻訳モジュールとして機能しました。したがって、本発明を利用すれば、かつてないほど効率的にmRNAスイッチを開発できます。
翻訳制御の達成
一部のCasタンパク質は、結合したRNAを切断し、分解を誘導します。本発明は、このような機能をもつCasタンパク質に限らず、切断能力を持たないCasタンパク質であってもモジュールとして利用できます。したがって、mRNA分解を望む場合、望まない場合の両方に対応することが可能です。

スクリーンショット 2025-06-11 174216.png

開発段階 9種のCasで機能を確認、7種は直交性あり。新規Casにも展開可能で、大規模回路構築と応用展開に実用性・拡張性が高い。
希望の連携 •特許実施許諾契約
•オプション契約
•(技術検討のためのF/S)
•共同研究契約
•MTA
•※本発明は京都大学から特許出願中です。
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