ALSを含む運動ニューロン疾患に革新。iPS創薬から生まれた新規神経変性阻害剤
筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとする運動ニューロン疾患は、進行性で治療困難な神経変性疾患です。現在の治療薬は疾患の進行を一時的に遅らせる効果にとどまり、神経細胞の生理的環境を再現した創薬スクリーニング系が乏しいことも課題でした。近年、患者由来iPS細胞から分化誘導した運動神経細胞がALSの病態を再現する優れたモデルとして注目されており、これを用いた化合物スクリーニングにより、神経変性を抑制する新規治療薬の創出が期待されています。
本発明は、運動神経細胞の変性を阻害する低分子化合物に関するものです。これにより、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの運動ニューロン疾患の進行を抑制する可能性があります。本化合物は、神経細胞の生存率を向上させ、細胞死を抑制する作用が確認されています。これにより、従来の治療法では困難であった神経変性の進行を効果的に抑制することが期待されます。有効成分として14種類の化合物が提示され、そのうち5種は新規化合物です。これら化合物は単独または塩の形態で用いられます。化合物の形態変換も公知技術により可能であり、広範な薬剤設計への応用が期待されます。
◉主な技術的特徴と優位性
・運動神経細胞の変性を阻害する低分子化合物
・iPS細胞由来運動ニューロンを用いた創薬スクリーニングで同定
・現行薬(リルゾール、エダラボン)とは異なる新たな作用機序
開発段階 | 患者由来iPS細胞での有効性確認済み。 |
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希望の連携 | • 特許実施許諾契約 • オプション契約 (技術検討のためのF/S) • 共同研究契約 • MTA ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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