未分化状態のiPS細胞を用いて特定の疾患リスクを予測する技術を確立しました。
ゲノムのDNA配列を用いた疾患リスク予測技術は、解析対象として例えば被検査者のSNPs(一塩基多型)が使用された上でに商業化されています。しかしながら、ゲノム配列は静的な情報であり、複雑な遺伝子相互作用が係わる疾患を予測する精度が低いことなど、同情報を用いた予測装置は商業製品レベルとしてはまだまだ不十分と言えます。そこで、予測精度を高めるための手法の確立が望まれています。
本発明は、遺伝子の発現という動的な情報に基づいて疾患リスクを予測する新しい手法です。発症の有無が異なる被検体由来のiPS細胞を比較し、統計学的手法と機械学習を組み合わせて、特定の疾患グループ(疾患タイプ)に関わる予測遺伝子を選定することができます。この手法により、以下の利点が得られます。
⮚高精度な疾患予測
遺伝子発現という動的情報を活用することで、ゲノム配列のみでは困難だった複雑な疾患の予測が可能。
⮚統計解析と機械学習の融合
発症の有無に応じた発現データを解析し、有力な予測遺伝子を抽出。
⮚未分化iPS細胞をそのまま使用可能
分化誘導が不要なため、工程が簡略化され、低コスト・短時間での予測が実現。
⮚複数疾患に応用可能な汎用性
疾患タイプ単位での判定ができるため、個別疾患ごとのスクリーニングにも対応可能。
開発段階 | ヒト試料を用いて検証済み。 |
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希望の連携 | •実施許諾契約 •オプション契約 |
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