発明情報

光刺激により収縮活動が誘導される骨格筋細胞

光遺伝学(オプトジェネティクス)の手法を用いて、特定の光に反応して収縮する骨格筋細胞を多能性幹細胞から製造しました。

背景

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)等、筋疾患治療薬の開発では、in vitroでヒトの病態を反映したモデルが必要となります。モデル系で筋細胞の活性化には電気刺激がよく用いられますが、培地の加水分解により毒性ガスが発生したり、ハイスル―プットスクリーニング系の構築が困難であるという問題がありました。

発明概要と利点

本発明者らは、光駆動性イオンチャネルタンパク質(チャネルロドプシン)を安定発現するiPS細胞を作製し、光刺激(青色LEDレーザー光照射)下で骨格筋細胞へと分化・成熟させることにより、電気刺激と同等の収縮活性を有する骨格筋細胞を製造する方法を開発しました。この手法を96ウェルプレートに適用したところ、十分な骨格筋分化効率が得られ、スクリーニングの質を満たしていることが確認されました(下図参照)。また、隣り合う四つのウェルを1データとして解析することで、データ間のバラツキを抑える事に成功し、より安定したスクリーニングを行うことが可能になりました。

[7046]fig1.pngDMD患者由来iPS細胞を本手法により分化させ収縮力の変化を観察したところ、収縮速度の低下が観察され、筋疲労に似た収縮力低下というDMDの病態が96ウェルプレートで再現できることが分かりました(下図参照)。収縮力低下を指標として収縮力低下を改善する化合物を探索するハイスル―プットスクリーニング系が構築できました。

[7046]fig2.png

開発段階 ヒトiPS細胞で実証済み。
発表状況 Cell Reports Medicine 2, 100298 (2021)
doi:10.1016/j.xcrm.2021.100298
希望の連携 ・ 実施許諾契約
・ オプション契約
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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