発明情報

骨格筋系譜細胞純化用細胞表面マーカー

細胞純化用細胞表面マーカーの探索により、骨格筋系譜細胞の純化に成功し、特に再生医療に適した細胞の提供が可能となりました。

背景

我々の体の中では日々、筋肉の再生が行われていますが、骨格筋の傍に存在しているサテライト細胞と呼ばれる局所常在幹細胞集団が、骨格筋の再生や修復に重要な役割を果たしています。そこで、サテライト細胞を使った骨格筋疾患の再生医療が試みられてきましたが、サテライト細胞を採取することは難しく、採取できたとしてもそれを増やすことが困難であり、今まで実現に至っていません。

発明概要と利点

本発明者らは、サテライト細胞としての骨格筋幹細胞を含む骨格筋系譜細胞、すなわち骨格筋分化能を有する細胞及び骨格筋に最終分化した細胞を含む、骨格筋幹細胞、筋芽細胞、筋管細胞、成熟筋管細胞、骨格筋細胞(筋線維)の全てを対象に、細胞表面マーカーCDH13(カドヘリン-13、T-カドヘリン、H-カドヘリンとも称される)を用いて高純度の骨格筋系譜細胞集団を取得できることを見出し、これにより骨格筋系譜細胞の純度向上方法を確立しました。

また、同じく細胞表面マーカーFGFR4(CD334とも称される)を用いての、骨格筋系譜細胞の純度向上方法も確立しました。

上記二種類のマーカーは、CDH13単独使用の場合には高い収率で骨格筋系譜細胞を集めることができるので疾患モデル構築や創薬スクリーニングの際の純化マーカーとして活用できる、FGFR4単独使用の場合には筋ジストロフィーに対する細胞移植治療において線維化を起こさない純度の高い骨格筋幹細胞を純化できることにより臨床応用へ近づく、というそれぞれ異なる利点を有し目的に応じて単独マーカーとしての使用も可能ですが、両マーカーを重複的に使用することでより骨格筋系譜細胞の純度をより高めることも可能となります(CDH13・FGFR4両陽性細胞)。

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開発段階 ヒトiPS細胞で実証済み。
発表状況 Stem Cell Reports 2021; 16: 883-898.
doi:10.1016/j.stemcr.2021.03.004
希望の連携 ・ 実施許諾契約
・ オプション契約
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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