ヒトiPS細胞からPRRX1陽性細胞を分化誘導する培養条件と、前記PRRX1陽性細胞の拡大培養条件を確立しました。
体性幹細胞の一つである間葉系幹細胞は、骨芽細胞や軟骨細胞といった細胞へ分化する能力を持つ細胞であり、再生医療への応用も考慮されていますが、分化誘導効率の低さや自己増殖能の制限が難点となっていました。また多能性幹細胞を用いた従来の分化誘導方法は、目的とする組織細胞へ直接誘導することに焦点を置いていますが、その誘導効率と品質の低さが問題視されていました。
発明者らは、未分化間葉系細胞のマーカーであるPRRX1の発現をモニターできるヒトiPS細胞を作製し、当該細胞を用いて、ヒトiPS細胞からPRRX1陽性細胞を分化誘導する培養条件と、前記PRRX1陽性細胞の拡大培養条件を確立しました。前記PRRX1陽性細胞(継体培養した細胞を含む)は、間葉系幹細胞(骨芽細胞等)を経由して軟骨細胞等に最終分化する能力を有しているので、細胞移植に資する細胞供給源や薬剤スクリーニング系として有用です。
⮚高品質・安定・多量
本発明により、質の高い間葉系幹細胞を安定且つ多量に得ることができます。
⮚有用性
本発明の肢芽間葉系細胞集団、軟骨前駆細胞集団、骨芽前駆細胞集団が骨又は軟骨関連疾患患者のiPS細胞から誘導された場合には、骨疾患モデル又は軟骨疾患モデルの作製、さらには、骨関連疾患もしくは軟骨関連疾患のモデルの作製に有用です。
開発段階 | ヒトiPS細胞で実証済み。 |
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希望の連携 | ・ 実施許諾契約 ・ オプション契約 ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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