移相器内に移動式金属板を導入することによって、簡単な構造かつ任意の位相差を提供できる移相器を開発しました。
特許文献1(実開平4-123602号公報)に開示された伝送導波管のくびれ部は、簡単な構造を有しながら移相器として働きます。しかし、伝送導波管のくびれ部からなる移相器の位相差、即ちその移相器が伝送波の位相を変化させる量は、可変ではありません。したがって、伝送導波管のくびれ部からなる移相器の位相差を外部制御によって変化させることはできませんでした。
本発明者らは、下図のように移相器内に移動板を導入することで位相差を可変にしました。移動式金属板は導波管中に短辺の平行方向だけ移動でき、導波管の外側から位置を調整できます。その時に、長さLの区間において、導波管の長辺はa+Δaになり、管内波長はλgだけ変わります。したがって、Port1からPort2の位相を変えることが可能になりました。
本発明には3つの利点があります。
⮚簡単な構造
本移相器では、移動板を本体部に対して移動させることでその位相差を変えるため、容易に素早くその位相差を変えることができます。
⮚360度の位相幅
本移相器1つで任意の位相差を提供することが可能になります。
⮚小さい挿入損失
従来の導波管移相器の挿入損失が0.3dB程度であるのに対して、本移相器では0.2dB未満に挿入損失を保つことができます。
開発段階 | 理論的に証明のうえ、実証済み。 |
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希望の連携 | ・ 実施許諾契約 ・ オプション(非独占/独占) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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