多能性幹細胞を用いて安定的かつ高スループット評価に対応できるインビトロ神経系副作用を予測可能な、ヒト神経細胞に対する興奮毒性の評価方法を開発した。
治療薬候補物質の臨床適応までには、その多くが予期せぬ副作用で開発中止となる。なかでも、ヒトとは全く異なり、神経症状を評価しづらいモデル動物を用いた前臨床試験では副作用が見過ごされることが多い。また神経系副作用のインビトロ副作用予測は、使用する細胞資源の不安定性と適切な評価方法の欠如から殆ど行われてこなかった。そこで、ヒト神経細胞を用いた被験物質の神経細胞に対する興奮毒性評価方法の開発が求められていた。
本発明では、iPS細胞より樹立した大脳皮質神経細胞を利用し、安定的かつ高スループット評価に対応できるスケールでインビトロ神経系副作用予測を実施できるヒト神経細胞の供給系を応用して、最も重要な神経系副作用の一つである痙攣発作リスクを予測するための毒性評価系を提供することができる。
神経細胞の興奮毒性の予測法として、細胞内カルシウムインジケーター色素を導入し、細胞内カルシウム動態をモニタリングする。
➢治療薬シーズの導出段階、あるいは開発候補物質の前臨床インビトロ神経興奮毒性評価系として適用でき、治療薬開発に有用である
特許情報 |
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希望の連携 | 神経興奮毒性があることが知られているAmoxapine、ChlorpromazineおよびLinopirdineのそれぞれについて、本発明の興奮毒性評価方法において、Bell-shape型の用量依存的な興奮毒性が確認された。 |
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