鉄芽球性貧血iPS細胞より誘導した造血前駆細胞を使用した赤芽球分化能の改善薬のスクリーニング方法を考案しました。
遺伝性鉄芽球性貧血の中では、ALAS2(赤血球型δアミノレブリン酸合成酵素)遺伝子の変異に伴うX連鎖性鉄芽球性貧血(XLSA)が最も頻度の高い原因です。XLSAはヘム合成不全による、鉄利用障害が原因であり、XLSAの約半数の患者にはビタミンB6の投与が有効ですが、無効である場合輸血や造血幹細胞移植以外に有効な治療法はなく、代替となる治療法の開発が期待されています。
本発明者らは、ALAS2遺伝子変異を有するXLSA患者の細胞からiPS細胞を作成することに成功しました。
得られたiPS細胞のうち、ALAS2遺伝子変異のないX染色体が不活性化され、ALAS2遺伝子変異を持ったX染色体が活性化されているiPS細胞を分化誘導して造血前駆細胞を得ました。
➢上記の造血前駆細胞の赤芽球への分化効率を測定することで、XLSA治療薬をスクリーニングできます。
被験物質の存在下における分化効率が、被験物質の不存在下における分化効率よりも高い場合に、被験物質がXLSAの治療薬である可能性があると判定します。
開発段階 | ALAの存在下で赤血球分化を行ったiPS細胞の赤血球分化効率が健常人由来iPS細胞と同程度まで回復したことを確認済み。 |
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