miRNAによって特異的に認識される核酸配列を、ヌクレアーゼをコードする核酸配列と連動して用いることにより、細胞特異的なmiRNAに応答してヌクレアーゼの活性を制御する方法を発見しました。
CRISPR/Cas9 Systemは、ヌクレアーゼであるCas9蛋白質(Cas9)と標的配列に相補的な20塩基を組み込んだシングルガイドRNA(sgRNA)により、目的遺伝子を切断するものです。近年、このCRISPR/Cas9 Systemを細胞治療に用いようとする動向があります。しかし、CRISPR/Cas9 Systemを用いたCas9とsgRNAの細胞内導入には、プラスミドが用いられてきたため、それらがゲノムに挿入され変異が生じる危険性がありました。またプロモーターの特異性が低いために細胞特異的にゲノム編集することが難しいという問題がありました。
本発明によれば、miRNAによって特異的に認識される核酸配列とヌクレアーゼのコード領域に対応する核酸配列を機能的に連結させることで、ヌクレアーゼの活性を制御できるようになります。(図1)
連結というのは、ヌクレアーゼをコードするオープンリーディングフレーム(ただし、開始コドンを含む。)の5'UTR内、3'UTR内、及び/または当該オープンリーディングフレーム内に、少なくとも1つのmiRNAの標的配列を備えることを意味します。
さらにトリガータンパク質をコードするmiRNA応答性mRNA(miRNAスイッチ)とヌクレアーゼをコードするトリガータンパク質応答性mRNAの2種類を組み合わせたヌクレアーゼ制御を開発しました。(図2)
開発段階 | miR-21-5p、miR-302-5pを用いたmiRNA応答性CRISPR/cas9システムが機能することを確認済み。 |
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