発明情報

骨細胞分化誘導方法

短期間で高効率にヒト多能性幹細胞から骨組織を形成する能力のある細胞を分化誘導する手法を開発しました。

背景

従来から知られている多能性幹細胞から骨芽細胞そして骨細胞を誘導する方法は、①一旦胚様体を形成させた上で骨髄由来の細胞に用いてきた骨分化誘導培地(OI Medium)を用いて最終分化を誘導する方法と、②発生過程を段階を経て模倣する多段階誘導する方法がありましたが、いずれも安定的に分化細胞を得る事は難しく、さらに後者方法の場合には高価な生物製剤を含む複数の化合物を必要とするという問題点を有していました。

発明概要と利点

本発明者らは、多能性幹細胞を、(1)所定期間にわたりフィーダーフリー条件下で培養した後、(2)ROCK阻害剤及びレチノイン酸受容体αまたはβアゴニストを含む骨分化誘導培地と多能性幹細胞用培地の混合培地を用いて培養し、(3)さらにレチノイン酸受容体αまたはβアゴニストを含む骨分化誘導培地を用いて培養することで、短期間、高効率かつ再現性の高い骨分化誘導方法を確立することに成功しました。
工程(1)において、多能性幹細胞をフィーダーフリー条件で培養する期間は特に限定されませんが、オンフィーダー条件で維持培養されている多能性幹細胞を用いる場合【下図上段On-feeder iPSCsの場合】、3日間程度多能性幹細胞をフィーダーフリー条件で培養した後に工程(2)に移行することが好ましいことも特定しました。
これに対して、フィーダーフリー条件で維持培養されている多能性幹細胞を用いる場合【下図下段Feeder-free iPSCsの場合】、任意の時点で工程(2)に移行すれば良く、フィーダーフリー条件で多能性幹細胞を培養する方法として様々な公知の方法を利用することが可能です。例えば、マトリゲル(+mTeSR培地)、iMatrix-511(+StemFit培地)、IV型コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン等の細胞外マトリックスをコーティングした培養プレートを用いて行いることも可能です。

開発段階 ヒト試料を用いて検証済み。
特許情報
発明の名称
新規骨分化誘導方法
出願人
国立大学法人京都大学
登録番号
特許第6944207号
希望の連携 •実施許諾契約
•オプション契約
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