特定遺伝子導入を用いたマウス及びヒトの機能的に成熟した肝細胞の作製法を発明しました。
現在、iPSCやESCから分化誘導される肝細胞や、線維芽細胞など肝細胞以外の細胞種に転写因子の組み合わせを導入することによって作製される誘導肝細胞を用いた、肝細胞移植療法、肝臓の最構築、肝疾患モデル作製、創薬、薬剤肝毒性評価系の構築などが期待されています。しかし、現在までのところ、機能的に未熟な胎児期の肝細胞に相当する肝細胞の作製にとどまり、成体の体内に存在する肝細胞に近い機能を有する肝細胞を作製するまでには至っていません。
本発明者らは、iPS干渉法を用いて成熟肝細胞に発現する転写因子の組み合わせの絞り込みを行い、Hnf4a,Foxa3,Cebpa,Cebpd,Hnf6,Hnf6bの6転写因子の組み合わせの遺伝子導入にて、マウスおよびヒト線維芽細胞から成熟した肝細胞を作製することに成功しました。
さらに、6転写因子にc-Mycの遺伝子を導入する、あるいはTGF-β受容体阻害薬A83-01を用いて培養することで、肝細胞の機能的成熟度を向上させることに成功しました。
効果
本発明により作製されるマウスおよびヒトの成熟肝細胞を用いて、難治性肝疾患に対する肝細胞移植療法、肝疾患モデル、創薬、薬剤肝毒性評価をこれまでにない高い精度で実施可能になります。
開発段階 | マウスおよびヒト線維芽細胞から成熟した肝細胞を作製することに成功。 |
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