単離された多能性幹細胞(PSC)由来の始原生殖細胞様細胞(PGCLC)からin vitroで精子幹細胞様細胞を誘導し、さらに長期培養を行うことに成功しました。
これまでES細胞/iPSCを・エピブラスト様細胞(EpiLC)へ誘導し、その後PGCLCへと誘導する培養系を確立しており、さらにPGCLCを新生仔マウスの精巣内又は卵嚢下に移植して、精子又は卵子に分化させ、そこから正常な子孫を得ることに成功している。しかし、オスについてPSCからPGCを経て、精子の前段階の細胞である、精子幹細胞を誘導することができていなかった。精子幹細胞がPGCから分化誘導されるメカニズムに不明な点が多く、PSCからPGCLCを経て、生殖系列幹細胞(GSC)様の細胞をインビトロで誘導する培養系の確立が望まれていた。
本発明では、ESCやiPSCなどの単離された多能性幹細胞由来のPGCLCを生殖巣体と浮遊培養にて共培養し、再構成精巣を得る。得られた再構成精巣を気液界面培養して、再構成精巣中で、DDX4陽性かつPLZF陽性細胞を誘導する。これにより、インビトロで精子幹細胞様の細胞が製造できる。
次にこの細胞を再構成精巣から解離し、精子幹細胞からGSCLCを誘導する。
本発明では、従来のPGCLCが抱える課題
●長期維持培養ができないこと
●新生児精巣内でしか精子に分化しないこと
を解決することができる。
開発段階 | インビトロで精子幹細胞様の細胞が製造、精子幹細胞からGSCLCを誘導できることを実証済み。 |
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発表状況 | CellRep.2016Dec6;17(10):2789-2804. doi:10.1016/j.celrep.2016.11.026 |
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