Wnt7aおよび/またはWnt7bを発現するフィーダー細胞の存在下で膵前駆細胞を培養する工程を含む、膵前駆細胞の培養方法を発明しました。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、グルカゴンは血糖値を上げるホルモンとして糖代謝調節に係りますが、これらに加え、ソマトスタチンやPP、グレリンなど膵臓由来のホルモンも代謝調節に関与しています。糖尿病はインスリンの欠乏や作用不全によって発症し、特に1型糖尿病ではインスリン産生細胞の破壊が原因となる疾患ですが、現在、再生医療によって多能性幹細胞からインスリン産生細胞を誘導する方法が注目されており、効率的なβ細胞作製技術の開発が求められています。
本発明者らは、シグナル伝達タンパク質であるWnt7aまたはWnt7bを発現するフィーダー細胞(例えばNIH3T3細胞、HEK293細胞)上で、KGF, EGF, ニコチンアミド存在下にて培養することで、ヒト多能性幹細胞由来のPDX1陽性膵前駆細胞を高効率にin vitroで増幅することに成功しました。
⮚ 利点その1
糖尿病に対する細胞療法開発への応用
⮚ 利点その2
2型糖尿病に対する創薬スクリーニング系への応用
⮚ 利点その3
遺伝性膵疾患の患者由来iPS細胞を用いた膵疾患モデル作製、創薬への応用
開発段階 | ヒト多能性幹細胞由来のPDX1陽性膵前駆細胞でIn vitro実証済み。 |
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特許情報 |
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希望の連携 | ・ 実施許諾 ・ オプション(非独占/独占) |
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