ヒト発生を模倣した造血システムをin vitroで再現し、ヒトiPS/ES細胞から、効率的に造血細胞を分化誘導することに成功しました。
これまで多能性幹細胞から造血細胞を得る方法として、胚体様の形成とサイトカイン添加法や、異種由来ストローマ細胞との共培養法が報告されていますが、前者は高コスト、後者は安全性に課題がありました。一方、中胚葉細胞を経由する分化誘導法も知られていますが、依然として造血細胞を大量かつ安定的に得るには改良の余地があり、医療応用に適した新たな技術の開発が強く求められています。
本発明では、まずナイーブ型多能性幹細胞とプライム型多能性幹細胞を用い、ナイーブ方多能性幹細胞からは原始内胚葉を経て卵黄嚢様細胞に分化誘導し、プライム型多能性幹細胞からは中胚葉細胞に分化誘導させます。そして、得られた中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞と共培養することで、中胚葉細胞を効率よく造血細胞に分化誘導することに成功しました。これにより、一人のドナーのiPS細胞で全てを構築することが可能になり、安全性が高く、さらに多種のサイトカインを培地に加える必要がないため安価に誘導することができることとなりました。
開発段階 | ヒトiPS/ES細胞でin vitro 実証済み |
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希望の連携 | ・ 再生医療 ・ 創薬スクリーニング |
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