皮疹の「形状」から生体内病態の状態を推測することができるシステムです。 数理モデルにより、病態の推定、治療薬の効果を予測することができます。
皮膚医学では、皮疹の「形状」が診断の重要な手がかりとされますが、診断には、血清採取や皮膚生検といった侵襲的手法が用いられます。例えば、国際ガイドラインでは蕁麻疹を皮疹の種類によりいくつかの病型に分類しながらも、診断では、皮膚描記症テストなどの診断方法が用いられています。さらに、蕁麻疹はヒト特有の疾患であるため実験的研究が制限され、また、治療は対処療法にとどまるため、個々の患者に最適化された効率的な治療が求められています。
発明者らは、皮疹画像に基づき、皮疹の生理学的状態を数理モデル化し、その数理モデルを元に、in silico皮疹形状とそれに対応するパラーメータのデータベースを構築しました。これにより、発疹の画像を入力するだけで、皮膚の内部で起きている生理的な変化を数理モデルによって推定することができます(図1) 。さらに数学的手法を用いた "治療支援プログラム"を開発し、本発明により、侵襲的な検査工程を必要としない皮膚疾患の診断、治療支援情報の生成及び、それをもとにした投薬の効果を予測を可能にします。(図2)
⮚ 医薬品の作用機序を考慮し作成された数理モデル
皮疹の画像を取得するだけで、薬の効果を予測できます。
⮚ 皮疹画像のみで、診断、治療効果の予測が可能
侵襲的な検査工程を必要としません。
⮚ 治療支援システム、薬効評価への応用が可能
実際の投薬を行わず、患者に適した薬剤を予測できます。
開発段階 | 慢性突発性蕁麻疹での効果を実証済み。 |
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希望の連携 | ・ 実施許諾 ・ オプション(非独占/独占) ・ 共同研究(膨疹におけるプログラムの最適化/皮疹における治療支援プログラムの開発など) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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