発明情報

腎集合管細胞及び腎盂上皮細胞の分化誘導方法を開発!

iPS細胞からの腎集合管細胞及び腎盂上皮細胞作製を可能にしました。

背景

 腎集合管は、アクアポリン2等の水チャネルを発現し、尿を濃縮する働きをする主細胞と、炭酸脱水酵素を発現してpHを調整する間質細胞(インターカラリー細胞)で構成されています。ヒト多能性幹細胞から糸球体や尿細管の前駆細胞であるネフロン前駆細胞と腎集合管の前駆細胞である尿管芽細胞に分化誘導を行い、これら2種類の腎前駆細胞を結合培養して糸球体を含む腎組織を作製した旨の研究報告はありましたが、ヒト多能性幹細胞から腎集合管細胞及び腎盂上皮細胞の選択的な誘導に成功した旨の報告はありませんでした。

発明概要と利点

 本発明は、最終的に腎集合管を主細胞とするオルガノイドを得るために、尿管芽細胞又は同細胞から分化した細胞を、TGFβ阻害剤、Wnt阻害剤及びホスホジエステラーゼ阻害剤を含む培地中で培養することを特徴とします。

 また、最終的に腎孟上皮細胞細胞を得るために、腎集合管前駆細胞を、ETSファミリータンパク質の存在下、TGFβ阻害剤、Wnt阻害剤、レチノイン酸受容体アゴニスト及びNotchシグナル阻害剤を含む培地中で培養することを特徴とします。

 これらの確立された技術により作製された腎集合管細胞及び腎盂上皮細胞を用いることにより、イオンチャンネルの異常や、嚢胞性腎疾患をはじめとする先天性腎尿路異常のモデル作製や病態解析、治療法開発への応用が進むものと期待されます。

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開発段階 ・ヒト試料を用いたin vitro実験により効果確認
発表状況 Cell Rep. 2020 Jul 28;32(4):107963.
doi:10.1016/j.celrep.2020.107963
希望の連携 ・実施許諾契約
・オプション契約
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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