培養肉その他様々な技術流用性を有する骨格筋前駆細胞の分離技術を開発しました
多能性幹細胞は、体のほぼあらゆる細胞に分化することができ、その特性を利用して、再生医療や創薬研究が行われています。しかしながら、多能性幹細胞が他の細胞へ分化する効率にはばらつきがあるため、多能性幹細胞から全ての細胞を均一に目的の細胞へと分化誘導することは困難であり、誘導された細胞を適正に利用するためには、分化誘導された細胞を純化する技術が重要となります。
細胞の純化の方法として、細胞表面抗原に対する抗体を利用する方法があるものの、ヒト骨格筋前駆細胞については、このような細胞表面抗原は存在せず、大きな課題となっています。
本発明は、合成したmRNAを導入することにより、 骨格筋前駆細胞に特異的に発現するmiRNAの活性を検知することで骨格筋前駆細胞を分離することを特徴とするものです。具体的には、骨格筋前駆細胞で特異的に発現しているmiRNAとしてmiR-1、miR-133及びmiR-206を特定し、これらのmiRNA応答性mRNAに含まれるマーカータンパク質(例. EGFP)を単体又は組み合わせて骨格筋前駆細胞に導入の上、当該マーカータンパク質の翻訳量の大小に基づきフローサイトメーター、イメージングサイトメーター、蛍光顕微鏡、発光顕微鏡、CCDカメラ等の検出器を用いて検出を行い細胞分離を可能としました。
当該技術確立により、例えば、筋原性疾患治療剤として、また遺伝性筋疾患治療用に疾患原因遺伝子を修復した患者由来のiPS細胞から分化誘導した骨格筋前駆細胞として製造することが可能となります。また骨格筋細胞を利用する培養肉生産にも利用できる可能性があります。
開発段階 | ・ヒト試料を用いたin vitro実験により効果確認 |
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