発明情報

ミディアムエントロピー合金(MEA)めっきの方法

本方法で強度と靭性が両立するミディアムエントロピー合金めっきができます。

背景

 複数の合金元素をほぼ等原子比率で均一に含む多元系合金は、強度と靭性を両立でき、近年さまざまな用途への適用が期待されています。CrCoNi MEAは、高い靭性を有する一方で、ハイエントロピー合金(HEA)及びMEAの中でも特に高い強度を有しており、摺動部材に適しています。
 しかし、多元系合金は、一般的に、電気めっきの際の構成元素の酸化還元電位が異なるため、全ての構成元素を等しい原子比率で析出させて薄膜を生成することが難しいとされています。特に、構成元素としてCrを含む場合は、環境に配慮するなど複雑な析出過程を踏む必要があるという課題がありました。

発明概要と利点

 発明者らは、上記課題に鑑み、めっき液と電気めっきの条件を工夫することで、構成元素がほぼ等原子比率のMEA薄膜を形成することができました。

 構成元素の自由度が高い

 本発明では、Crを含んだMEAを対象とした電気めっきが可能となっており、原理上、水溶液で還元できる元素であればどのような組み合わせでも可能です。

 構成元素を等原子比率にすることができる

 薄膜の表面形状はかなり滑らかであり(図1)、また構成元素をほぼ等原子比率(図2)で析出させることができます。

 機械特性に優れたMEA薄膜を作製することができる

 本方法で得られたMEA薄膜は、Crのみのめっき処理を施した薄膜と比較したところ、同程度の弾性率でありながら硬さが向上しており、

耐摩耗性(硬さ/弾性率)等に優れた薄膜としての利用が期待できます(図3)。

開発段階 CrCoNi MEAの薄膜を作製し、その構成元素がほぼ等原子比率であることや、硬度や耐摩耗性といった機械特性を確認済み。
希望の連携 • 実施許諾契約
• MTA
• オプション契約
(技術検討のためのF/S)
・共同研究や学術指導など
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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