ITOからインジウムを選択回収するのに有用な、 簡便かつ安全な新規プロセスを開発しました
金属酸化物は安定で豊富な元素資源であり、機能性材料としても活用されています。しかし、使用後の金属酸化物からレアメタルなどを回収する手段は限られており、多くが廃棄されています。現在は酸やアルカリなどの液体(溶液)に溶かして回収する湿式法や高温で加熱・還元・蒸発などの処理を行って回収する乾式法による回収が行われていますが、コストや安全性に課題があるため、より簡便かつ低コストな回収技術の開発が求められています。
本発明者らは、インジウムおよびスズを含む複合金属酸化物(ITO)粉末に有機化合物を混合し、混合物にせん断力を加える(メカノケミカル反応、固相反応)ことで、複合金属酸化物中の酸化インジウムを金属錯体として回収する方法(図1)を開発しました。本発明は既存技術に比べ、以下の3点において優れています(表1)。
⮚ 温和性(低コストで環境に優しい)
メカノケミカル反応を用いることで、従来のような大量の酸や高温、強力な還元剤を必要とせず、環境負荷が低く低コストで目的元素を回収できます。
⮚ 安全性
活性な化合物を使用しないため、安全性が高い手法です。
⮚ 選択性
複合酸化物から目的元素をを含む錯体を選択分離し回収が可能です。
開発段階 | ➢ ITO粉末からIn錯体の分離を実証済み。 ➢ In 以外の金属( Pb, Sb,Cs, Sr, その他レアアース)の分離も検討中 |
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希望の連携 | • 特許実施許諾* • オプション* • 共同研究** *京都大学にて特許出願中。 金属種など分野限定的な独占性も応相談。 **特定の金属元素回収に関し連携希望の場合、応相談。 |
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